大判例

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東京地方裁判所 昭和54年(ソ)1号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

ところで、抗告人は、本件忌避申立を受けたT裁判官が自ら右申立を却下したのは民事訴訟法三九条、四〇条に違反する旨主張するけれども、民事訴訟においても、忌避申立が訴訟の遅延のみを目的としていることが明らかな場合には、刑事訴訟法二四条のような明文の規定こそないが、忌避された裁判官が自ら右申立を却下することができるものと解するのが相当である。

そして、一件記録によれば、抗告人がした前回の忌避申立に対する東京地方裁判所の申立却下決定は、その理由中において「当該訴訟において裁判官のなした証拠の採否、訴訟指揮等の訴訟手続に関する措置に対する不服に由来するものは、忌避の原因にあたらないと解すべきである。」と説示しており、抗告人としても、右却下決定の送達を受けた後は、訴訟指揮に対する不服を原因とする忌避の申立は本来許されないものであることを覚知した筈であるのに、抗告人は又もや担当裁判官の訴訟指揮が不当であることを理由として本件忌避申立に及んだものであり、しかも、右申立は、前回の申立の場合と同じく、指定された口頭弁論期日の直前に申し立てられたものであることが認められる。

以上に認定したような経過に照らすと、本件忌避申立は訴訟の遅延のみを目的とするものであることが明らかであるから、忌避されたT裁判官は自ら抗告人の本件忌避申立を却下することができるものと解するのが相当であり、原裁判には抗告人の主張するような違法はない。

(近藤浩武 押切瞳 瀬木比呂志)

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